ハンサムな彼女電子書籍コミック漫画の感想レビュー・口コミ

ハンサムな彼女「ハンサムな彼女」について

40歳を過ぎても何度も読み直す漫画があります。それは「ハンサムな彼女」(集英社・りぼんマスコットコミックス)。小中学生向けの「りぼん」に掲載されていたわりに、内容がすごくしっかりとしていて、ただの恋愛ものではありません。
主人公は現役女子高生の女優・萩原未央。彼女が仕事と恋愛を通して成長していく姿が基本ですが、それを取り巻く話が実にしっかりと描かれています。
彼女が恋をする相手は現役高校生の映画監督の熊谷一哉。彼はただのかっこいい男の子というだけでなく、映画監督になるという夢をしっかりと持ち、アメリカ・ハリウッドで単身修業をし、自分のスキルを高めるために日本に戻ってドラマの撮影に加わる、という内容で、映画を作るということについても実に詳しく丁寧に描かれています。
芸能界は華やかな世界だけではなく、そこはビジネスであり、映画を作るということは脚本・監督・カメラマン、そしてスポンサーとなる企業が必要だということ、女優やアイドルはお互いにライバルであり自分を売っていくということ…などシビアな世界を、ドロドロした雰囲気は一切なく、とても前向きに明るく描いています。
主人公たちは仕事を通して切磋琢磨し、その中でも10代の普通の中高生という立場もしっかりと保ちつつ、仕事と恋愛、自分の生き方を悩みつつも明るく前向きに乗り越えていきます。
主人公の一哉は自分をしっかりと持った若者です。女の子に対して「好き」という感情を持つことを「カッコ悪い」と言いきってしまうほど男らしい考えを持つ彼は、それを表には出さす、あくまでクール。そいういった男の子の姿は現代の若者にはあまり見られなくなってしまったような気がします。
タイトルである「ハンサムな彼女」は、往年の名女優につけられた最高の褒め言葉からつけられています。凛とした知的な自立した一人の女性に対する「ハンサム」という褒め言葉…とても漫画の内容にあった素敵なタイトルだと思います。まだ10代だった私はこの「ハンサムな女性」という言葉に感銘をうけ、こういう大人になりたいと思いました。今はまだ、ハンサムと言ってもらえるような女性にはなれていませんが、一生忘れることない自分への目標になっています。
何回も何回も読み直してキラキラした10代のころの気持ちを思い出すとともに、読み終わったあとには恋愛をしたい、というよりも映画を見たい、と思える電子書籍化された漫画です。